【全国制覇】第38回全国高等学校野球選手権大会:【準決勝】vs 西条|龍谷大平安硬式野球部応援サイト ~ALL 平安~ 目指せ全国制覇!!
2・【1回戦】vs 徳島商

4・【準々決勝】vs 浪華商
5・【準決勝】vs 西条
6・【決勝】vs 岐阜商
7・【エピローグ】富樫淳と甲子園
8・【写真集】
第38回 全国高等学校野球選手権大会 vs 西条
1956/8/19 準決勝 甲子園球場 vs 西条(愛媛) |
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TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E |
平安 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 5 | 1 |
西条 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 |
平安:岩井―植木、赤田 西条:土岐―牧野 |

平安の堅陣揺がず 悲運、西条に魔の九回
大会8日目、8/19は日曜と好天に恵まれて東西アルプススタンドは開門と同時に白一色に埋まり、当日券はわずか15分で売り切れとなってしまった。
試合は、準決勝に相応しく好ゲームとなり、平安はせっかくのチャンスも西条の好守に阻まれ、また西条は平安岩井の力投に後続を絶たれて熱戦は無得点のまま延長戦に持ち込まれるかに見えた。
この試合を決したのは最終回、西条のほんのスキを見逃さなかった平安藤川の好走塁であった。その場面に焦点をあててみたいと思う。
九回表、二死一、二塁に代打吉川の打球は三塁ゴロとなり平安のチャンスは崩れ去ったかにみえた。三塁側をぎっしりと埋めた平安応援団は水を打ったように静まり返った。
ところが西条の三塁手猪谷は固くなりすぎて一塁へワンバウンド送球。一塁手が身体を思いっきり伸ばしたが捕れず、前へ落球。この間に二塁走者の藤川は脱兎のごとく本塁をつき、一塁手からの返球をかいくぐって生還した。
~好判断の裏に欠く冷静さ~
これが決勝点となり平安が勝利するのだが、このワンプレーには二走藤川選手の好判断のかたわら、緊迫した試合展開から冷静さを欠いていることが伺えるコメントを紹介する。
試合後藤川選手がこのプレーについて次のように語っている。
『一、二塁から三塁に向かうとき送球しようとする三塁手のフォームが崩れている。これならいけると強引につっこんだ。三塁を回ったとき、もし刺されたらと不安になり一瞬とまりかけました。一塁手があわてえて本塁にワンバウンドの返球をしたので生還出来ましたが、危ういものでした。三塁コーチャーの奥田は盛んに本塁へと怒鳴っていたようでしたが、僕は全然コーチャーを見ていませんでした。』
ランナーはコーチャーを見るように徹底されているはずが、この場面で藤川はコーチャーの指示を見逃していたのである。
そして、三塁コーチャー奥田は好走塁よりも怠慢プレーを指摘している。
『藤川は僕の指示を全然見ていなかったらしいが、あれがアウトになっていたら大変なことになっている。走者はコーチャーの指示通りに動かねばならない。』
これに対し、朝日新聞記者はこのように締めている。
平安の選手はゲームに対する鋭いカンを持っている。相手の動きを見てとっさに判断出来る素晴らしいカンの養成は、やはり日頃の猛練習から生まれるものだ。こうしたカンの良さからスキのない連続プレーが生まれ、相手の失策を誘発する。西条がこうしたプレーに惑わされたのは、やはり練習量の差だろう。藤川、奥田両選手が率直に失敗を語り、そして向上に意をそそぐ態度は立派だった。伝統に培われた平安ナインの姿をありありとみせつけられた。
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