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【3回戦】vs 浪華商
全国制覇【特別記事】:第38回全国高等学校野球選手権大会

第38回 全国高等学校野球選手権大会 vs 浪華商

1956/8/17  3回戦
甲子園球場
vs 浪華商(大阪)
TEAM 1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
浪華商 0 0 0 0 0 0 0 2 0 2 5 3
平安 0 0 1 0 0 0 0 3 x 4 7 1
浪華商:藤本―厚朴
平安:岩井―植木、赤田

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平安快打で再逆転 波乱の八回浪商涙をのむ
3回戦は大阪の名門浪商との対戦であった。
この試合のみどころは、平安岩井の外角に鋭く曲がり落ちるドロップを、浪商打線がどのように攻略するかが注目を集めていた。

先取点を挙げたのは平安、三回裏、四球で出た1番奥田を犠打で2塁へ進め、4番岩井がレフトフェンスにワンバウンドで当たる二塁打で1点を先取した。
また主戦岩井の快腕もすばらしく、その投球は回を重ねるごとにますます冴え、六回まで浪商打線を無安打に抑えるピッチングを披露した。

ところが八回、浪商の反撃に見舞われた。
浪商は7番河田が左中間を大きく破る三塁打を放つと、8番藤本はスクイズを仕掛けてきた。このスクイズが三塁線ギリギリに転がる絶妙なバントとなり、岩井・植木のバッテリーは球の軌道をジッと見つめるも、ラインの内側に止まった。
この間に三塁走者が生還し、同点に追いつく。一死一塁から続く高島の打球はボテボテの投ゴロとなって、一塁の藤本は二塁へ進み二死二塁となった。
ここで平安に思わぬプレーが飛び出す。
岩井は浪商1番万野を遊飛で打ち取ったかと思われたが、捕手植木のミットがバットに当たり打ち取った打球も打撃妨害となって、一、二塁の走者を背負うこととなった。
ここで2番神吉は一二塁間を破る安打を放ち、二塁藤本が生還して浪商は逆転に成功した。

しかし、その裏平安の粘りもすごい。
一死から3番川口が右前打で出塁、4番岩井は二飛に倒れてツーアウトとなってから猛反撃に出た。
まず、一塁川口が盗塁に成功し二死二塁。5番北村が四球を選んで二死一、二塁とすると6番吉川に代わって代打池上が送られた。ナインの期待を一身に集めた池上はカウント2-2のあと、三塁敵失にて執念の出塁。二死満塁とした。
続く7番植木にも代打倉谷が送られ、この采配がドンピシャリ。
倉谷が打ち返した打球は二塁手左を破る安打となり、川口・北村の2者が生還して平安は二死から堂々の逆転に成功した。
なおも8番荒川の打球は風で大きく流され、遊前にポトリと落ちる幸運なヒットとなり、もう1点を追加した。

八回の攻防がこの試合の全てで、高校野球の伝統校同士の対戦は満場のスタンドをうならせた。
平安は持ち前の粘り強さを発揮してベスト4進出を決定。
主戦岩井投手はその快腕が冴え速球は伸びを増し、外角に決まる鋭角なドロップは相当な威力をはっきしていて次戦西条戦も余談を許さないものの大いに期待が持てた。

準決勝を前に岩井投手は朝日新聞のインタビューにつぎのように答えている。
西条に対戦ときまって、相手として不足ありません。西条の投手の投球ぶりを見ましたが、3球のうち2球は必ずカーブで、一つは直球かシュートを投げてますね。だから直球の後のカーブをバッターボックスの先端に出て、曲がりっぱなをひっぱたくよう皆で研究しています。私はいつも立ち上がりにドロップとカーブがよく切れないので、ちょっと心配ですが、思い切って投げきるつもりです。立ち上がりが良ければウィニングショットのドロップをビシビシ投げ込んでいきますよ。なんといってもコーナーへストンと落ちるドロップを最上の武器としてそれに、いまシュートに自信が出て来ましたらね。

作戦を打ち明けるその裏に、自信がみなぎっている発言といえよう。


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