第86回選抜高校野球大会 2014年(平成26年) |龍谷大平安硬式野球部応援サイト ~ALL 平安~ 目指せ全国制覇!!

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第86回選抜高校野球大会 2014年(平成26年)

背番号 守備 氏名 学年
1 投手 中田 竜次 3
2 捕手 高橋 祐八 3
3 一塁手 河合 泰聖 3
4 二塁手 姫野 大成 3
5 三塁手 常 仁志 3
6 遊撃手 石川 拓弥 3
7 左翼手 中口 拓弥 3
8 中堅手 徳本 健太朗 3
9 右翼手 大谷 司 3
10 投手 高橋 奎二 2
11 投手 犬塚 貴哉 3
12 捕手 横山 裕也 3
13 捕手 古川 徳良 3
14 内野手 佐々木 翔斗 3
15 内野手 辰巳 大輝 3
16 投手 湊 耀一 3
17 外野手 岩下 叶夢 3
18 投手 元氏 玲仁 2
龍谷大平安硬式野球部応援サイト選抜高校野球大会 優勝
'14/3/251回戦大島
(鹿児島)
16-2
'14/3/292回戦八戸学院光星
(青森)
8-2
'14/3/31準々決勝桐生第一
(群馬)
5-4
'14/4/1準決勝佐野日大
(栃木)
8-1
'14/4/2決勝履正社
(大阪)
6-2

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第86回選抜高校野球大会 2014年(平成26年)

2014/3/25 1回戦
阪神甲子園球場
vs 大島(鹿児島)
TEAM 123456789HE
大島 000 100 100 2 11 2
龍谷大平安 0 0 1 0 3 5 0 7 x 16 17 0
  1. 試合詳細
  2. フォト
  3. メンバー成績
  4. 新聞①
  5. 新聞②
  6. 動画
◎バッテリー
【龍谷大平安】:元氏、中田―高橋
【大島】:福永、前山―白井
▼本塁打
元氏、常(平)
▼三塁打
大谷、姫野、石川(平)小野(大)
▼ニ塁打
大谷2、徳本(平)重原(大)

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龍谷大平安
(8)徳本611
(9)大谷442
9岩下000
(4)姫野411
4辰巳000
(3)河合533
(7)中口321
(5)424
(6)石川522
(2)高橋佑311
(1)元氏111
1中田100
大島
(6)重原320
(4)武田211
H勝元100
(9)竹山310
(8)小野420
(4)300
(1)・3福永431
(3)・2300
(5)川畑410
(2)白井100
1前山210

龍谷大平安
36 17 16 1 7 5 1 8 7 0
大島
30 11 2 5 6 2 1 9 0 2
龍谷大平安 貫禄の16点
監督の活、中盤から猛打 先発全員安打・打点マーク
龍谷大平安硬式野球部応援サイト 「今年は違う平安を見せたい」。春夏通算70度目の甲子園に臨んだ龍谷大平安の河合主将が繰り返した言葉通り、中盤から持ち前の猛打を爆発させた。先発全員が安打と打点をマーク。計17安打で16点を挙げ、大勝で初戦を突破した。
1-1で迎えた五回の攻撃前、原田監督がナインに活を入れた。「お前たちは打撃を前面にやってきたんだろう」。バットを上から出し、低い打球を狙え-。指示はシンプルだった。
四球をきっかけに2死三塁とし、中口が左前へ勝ち越し打。続く常は内角直球をうまくさばいて左翼ポール際に2ランを放ち、「1打席目がフライだったので、ヘッドを立ててコンパクトなスイングを心がけた」と高い修正能力を見せた。
六回には5点、八回には打者11人で7得点。犠打や盗塁も絡めた息つく間もない攻撃で圧倒したが、序盤は苦しんだ。常に全国制覇を意識し続ける選手も、やはり高校生。一塁側アルプスを埋めた大島の大応援団に「応援がすごくて体が浮いてるようだった」と常は振り返る。
チーム全体が雰囲気にのまれて本来のスイングを見失い、大振りが目立った。三回までに7本の凡フライを重ねてしまったことも課題だが、一度火が付けば勢いに乗る打線の迫力を見せつけた。
強打の土台には2年前から続ける体幹強化がある。練習前には必ず、アップを兼ねて腹筋や背筋などのトレーニングを1~2時間かけて行う。昨春は成果が出ず初戦で姿を消したが、2年後しの強化が大舞台で開花した。
2番大谷は4安打2打点の活躍。「点は取れると思い、焦りはなかった。今日の勝利で乗っていけるはず」と快勝に胸を張った。
【京都新聞】(2014/03/26朝刊)

写真:5回2ランを放った常選手
写真提供:HEIAN Baseball Photo Life
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5回危機 エース好救援
龍谷大平安硬式野球部応援サイト 1-1の五回1死満塁。大ピンチで龍谷大平安のエースナンバーを背負う中田がマウンドに立った。「先発の元氏が頑張ってくれた。ここは僕が抑える」。大島の応援団の大歓声が波のように押し寄せても冷静だった。「声援を味方にしよう」
4番小野に3球目を投じる直前だった。「ランナーのリードが大きい。油断している」と捕手高橋佑がけん制のサインを送る。中田は素速く体を反転させて一塁へ送球。すかさずベースカバーに入った一塁手河合との好連係でタッチアウト。貴重なワンプレーで「ゼロで行くしかないと思った」。なお続く危機で、2安打の主砲を手元で鋭く曲がるスライダーで空振り三振。大島の勢いを断ち、平安打線の奮起を呼んだ。
昨秋は登板した全9試合が救援。「リリーフの方がマウンドが掘れていて投げやすい」といい、練習ではピンチでの登板を想定して必ずセットポジションから投球を始める。大舞台でもチームの窮地を救い、強心臓ぶりを披露。九回までを1失点でしのいだ。
先発は元氏ら後輩に譲る。「負けたくないという気持ちはある。だからこそ、やっぱり『1』を付けている実力があるな、と思われる投球をしていきたい」。3年生、そして平安のエースの自覚を胸に分厚い投手陣を下支えする。
【京都新聞】(2014/03/26朝刊)

写真:見事な救援をした中田投手
写真提供:HEIAN Baseball Photo Life
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2014/3/29 2回戦
阪神甲子園球場
vs 八戸学院光星(青森)
TEAM 123456789HE
八戸学院光星 011 000 000 2 6 3
龍谷大平安 500 010 11x 8 13 0
  1. 試合詳細
  2. フォト
  3. メンバー成績
  4. 新聞記事①
  5. 新聞記事②
  6. 動画
◎バッテリー
【龍谷大平安】:高橋奎、中田―高橋佑
【八戸学院光星】:佐藤、中川、呉屋、小川―千葉、馬場
▼三塁打
石川(平)
▼ニ塁打
姫野(平)中川、北條(光)

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龍谷大平安
(8)徳本411
(9)大谷500
9岩下000
(4)姫野310
(3)河合310
(7)中口432
(5)531
(6)石川411
(2)高橋佑211
(1)高橋奎320
1中田000
八戸学院光星
(5)北條421
(6)足立300
(7)森山410
7北向000
(4)深江310
(3)300
(9)新井徳300
R別所000
(8)新井貴311
H高久100
(2)千葉100
H石黒100
2馬場200
(1)佐藤000
1中川310
1呉屋000
1小川000
H藤田000

龍谷大平安
33 13 6 3 6 3 0 10 4 0
八戸学院光星
31 6 2 9 4 2 2 8 0 3
龍谷大平安 初回本領
猛打に足技 一挙5点
龍谷大平安硬式野球部応援サイト 試合前から勝負は始まっていた。八戸学院光星の先発は、龍谷大平安にとって「予想外」の右腕佐藤。だが原田監督は、逆に今大会初登板となる相手エースの隙を見逃さなかった。「ブルペンで集中していない。初回からいくぞ」。言葉通り、いきなり平安ナインが猛攻を仕掛けた。
2死から姫野が四球を選ぶと、すかさず二盗。四球となった河合へのラストボールが暴投になり一、三塁と、足で好機を広げた。続く中口は「相手はストライクとボールがはっきりしている。甘い球を打とう」と、初球の直球を強振。痛烈な当たりで投手のグラブをはじく先制打となり、「直球を狙っていた。練習通り積極的な打撃ができた」と喜んだ。
次は足で畳み掛けた。常への3球目で一走中口がスタート。二塁への送球間に三走河合がホームを突く、鮮やかな重盗で2点目を挙げた。河合は「あれはサイン。捕手の肩がいいので二塁へ投げると思っていた」。事前分析が要所で生きた。
中口は続く常の浅い左前打できっちりと二塁から生還。左越え三塁打を放った石川も、相手の中継ミスを逃さず一気に本塁を陥れた。高い打力と機動力。秋の近畿大会を制した武器を存分に発揮し、初回に5点を奪って試合の流れを決めた。
2試合連続2桁安打となる13安打を放つ一方、凡フライや併殺で好機を逃す場面もあり10残塁。準々決勝は桐生第一と新庄のどちらが勝ち上がっても好投手との対戦だ。河合は「足を絡めて得点できたのは次につながるが、だめな点もあった」。快勝にも反省を忘れない。
【京都新聞】(2014/03/30朝刊)

写真:3安打2打点と活躍した中口選手
写真提供:HEIAN Baseball Photo Life
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2年左腕 ピンチで真価
強気の直球勝負光る
龍谷大平安硬式野球部応援サイト 強力打線に果敢に立ち向かった。龍谷大平安の高橋奎は九回途中まで被安打6、2失点。初の甲子園で堂々の投球を披露した2年生は「投げたくてうずうずしていた。しっかり抑えられて良かった」と汗を拭った。
味方が貴重な追加点を挙げた直後の六回に真価を見せた。連打で無死一、二塁とされ、八戸学院光星の反撃ムードが高まる。「集中」。直球で打者の懐を攻め続けた。進塁さえも許さず、右飛、中飛、ニゴロに打ち取り、捕手高橋佑は「気持ちが入っていた。強くなった」とうなった。
高校入学後に「先輩の投げ方が格好いいなと思って」と右脚を大きく振り上げるフォームに変えた。打者のタイミングを外しやすくなっただけでなく、下半身をしっかり使うことで「球を前(打者の近く)で離せるようになった」。急成長を遂げ、昨秋に近畿王者を勝ち取る原動力となった。
完投が見えた九回、先頭を歩かせた後、1死を取って降板。大観衆の拍手を受けたが「詰めが甘かった」と悔しさをにじませた。だが、8回1/3は自身公式戦最長。女房役の高橋佑も「きょうは80点。次は完投、完封してほしい」と期待を込めた。
【京都新聞】(2014/03/30朝刊)

写真:足を高く上げるフォームが魅力の高橋奎二投手
写真提供:HEIAN Baseball Photo Life
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原田監督 聖地20勝
指揮21年「全て選手のおかげ」
龍谷大平安硬式野球部応援サイト 節目の白星は、多くの教え子が見守る中でつかんだ。29日に甲子園球場で行われた選抜高校野球大会2回戦で、龍谷大平安が8-2で八戸学院光星(青森)に快勝。原田英彦監督(53)が甲子園通算20勝を達成した。1993年から指導する指揮官は「全て選手のおかげです」。スタンドのOBたちは、惜しみない拍手を送った。
京都の高校だけを率いて20勝を達成したのは初めて。原田監督はグラウンドを離れた私生活も指導しながら、名門復活への道を少しずつ歩んできた。スタンドに駆けつけた西野隆雅さん(28)は甲子園に春夏連続出場した2003年の主将だった。「『私生活でも隙を見せるな』と言われ、その手本として自身も律していたのが印象に残っている」と懐かしんだ。
初回に大量リードを奪い、スタンドも大盛り上がり。「強いですね」と感嘆したのは、11年夏のエースで近畿大2年の太田翼さん(20)。「でも(原田)監督さんは、こういう展開でも妥協しない。点を取った後に先頭打者を出すと怒られましたよ」と苦笑した。
打線の活躍が目立つ今大会だが、原田監督は守備の大切さを説いてきた。三塁手だった藤原剛さん(37)は「基礎をこつこつ積み重ね、選手の良さを引出してきたことが成績につながっているのでは」と話した。
試合後、河合泰聖主将からウイニングボールをプレゼントされた原田監督は「家に飾ります。ただ、20勝よりも平安が勝ったことが何よりうれしい」。「一番の平安ファン」を自認する人らしい言葉で喜びを表現した。
【京都新聞】(2014/03/30朝刊)

写真:河合主将から甲子園20勝のウイニングボールを受け取り笑顔の原田監督
写真提供:HEIAN Baseball Photo Life
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2014/03/31 準々決勝
阪神甲子園球場
vs 桐生第一(群馬)
TEAM 12345678910HE
桐生第一 040 000 000 0 4 8 3
龍谷大平安 011 000 200 1x 5 5 2
  1. 試合詳細
  2. フォト
  3. メンバー成績
  4. 新聞記事①
  5. 新聞記事②
  6. 動画
◎バッテリー
【龍谷大平安】:元氏、中田、高橋奎―高橋佑
【桐生第一】:東宮、糸井、高野、山田―小野田
▼ニ塁打
東宮(桐)

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龍谷大平安
(8)徳本310
(9)大谷410
(4)姫野401
(3)河合211
(7)中口201
(5)211
(6)石川210
(2)高橋佑400
(1)元氏200
1中田000
H岩下100
1高橋奎100
桐生第一
(7)吉田510
(4)石井510
(9)柳谷510
(3)・1山田420
(2)小野田400
(8)久保410
(5)久保田311
(6)高橋400
(1)東宮112
1糸井100
1高野000
3速水100

龍谷大平安
27 5 4 8 11 5 1 10 6 2
桐生第一
37 8 3 7 3 2 0 8 1 3
龍谷大平安 苦しみ粘勝
打線沈黙・・・執念サヨナラ
龍谷大平安硬式野球部応援サイト 延長十回。サヨナラのホームへ足から滑り込んだ河合は、渾身のガッツポーズを見せた。「自分のミスで4失点し、チームに焦りを生んでしまったので。感情が出てしまった」。努めて冷静に振り返る目が、かすかに潤んでいた。
この回、先頭の河合は「何としても出る」と気迫を込めて打席へ。打ったのは6球目の直球だ。
基本のセンター返しそのままに、鋭い打球で投手の足元を強襲。豪快なヘッドスライディングでチームを勢いづけた。
中口への暴投と犠打で三塁へ進むと相手は満塁策を選んだ。続く高橋佑への1球目。「捕手がそらした瞬間に決まったと思った」と、すかさず本塁を突いた。
逆転勝ちの立役者だが、二回には不用意なミスを重ねていた。無死一塁から送りバントを二塁へ悪送球し、一死二塁からは一ゴロで走者にタッチした際にボールをこぼし4点目を奪われた。「相手は連戦なので、いけるだろうという気持ちも少しはあった」。序盤の4失点はチームに大きくのしかかった。
相手の継投にほんろうされ、六回までわずか3安打。変化球にまったくタイミングが合わなかった。原田監督は「先発は山田君だと絞っていたが、データのない投手が次々と出てきた。早く点を取らないといけないプレッシャーもあった」と話す。
手痛い失敗と歓喜を味わった河合は「今までにないくらい、うれしかった」とほっとした表情。40年ぶりとなる4強入りに「春は初めての決勝へ、全員一丸で集中して戦いたい」と気持ちを入れ直した。
【京都新聞】(2014/04/01朝刊)

写真:サヨナラ勝ちを収め校歌を歌うナイン
写真提供:HEIAN Baseball Photo Life
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攻めの継投 勝利呼ぶ
龍谷大平安硬式野球部応援サイト エースナンバーを託さた中田、投手陣の柱に成長した高橋奎。2点を追う展開で龍谷大平安・原田監督が「リズムを変えてくれと、送り出した両投手が強気の投球で劇的勝利を呼び込んだ。
中田の出番は六回。直前の攻撃で好機を生かせず沈滞ムードが漂う中の登板だった。
「最終回まで投げることはない。自分に代打が出るまで全力で」。ストレートとスライダーを軸に、3人で片付け期待に応えた。
七回からリレーした高橋奎は初の救援にも動じない。「本番に強いんです」と先輩捕手高橋佑に宣言するほどの度胸の持ち主は「とにかく集中、集中」。軸足に体重を乗せ、内角を130キロ台後半の速球でえぐった。
同点で迎えた十回1死二塁の危機も「河合さんから『俺が絶対に打って出るから』と言われ、絶対抑えたかった」と燃えた。小野田を詰まらせ中飛。久保は直球で追い込み、スライダーで三振に仕留め、左の拳を突きあげた。
自慢の打線が湿っても、投手陣が踏ん張って試合をつくった。高橋佑は「流れを変えるには、逃げより攻め」とうなずく。中田は力を込め「次の佐野日大の投手も良いが、点を取られなければ負けない」。
【京都新聞】(2014/04/01朝刊)

写真:七回から救援した高橋奎二投手
写真提供:HEIAN Baseball Photo Life
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「黄金期」越え意気
龍谷大平安硬式野球部応援サイト 40年前の「黄金期」に肩を並べた。31日、甲子園球場で行われた選抜高校野球大会で、京都の龍谷大平安が過去最高に並ぶ準決勝進出を決めた。「このまま日本一や」と意気揚々の応援スタンド。福知山成美が準々決勝で敗れ66年ぶりの「京都勢ダブル4強」はならなかったが、ライバルからもエールが送られた。
生徒、教職員ら約600人が駆けつけ、スタンドに「H」の一文字を作った。春の甲子園は黄色のHが恒例だったが、優勝経験のある夏と同じ紺色に変えた。応援を担当する松田清吉郎教諭(54)は「全国制覇するという部員の声に押されたんです」。第1試合で敗れた福知山成美ナインの姿もあり、西田友紀主将は「決勝で平安と戦いたかったが、僕らの分まで京都代表として勝って」と念じた。
序盤からリードを許す我慢の展開だったが、七回に2点差を追い付くと押せ押せムードに。今春の全国高校選抜大会に出場したフェンシング部の前野魁人主将(17)は「僕たちはベスト8で負けたけど、野球部は勝ってくれるはず」と逆転を信じた。
延長十回。決勝点が入ると、アルプス席は割れんばかりの歓声に包まれた。本塁を踏んだ河合泰聖主将の父義彦さん(42)は「苦しい試合でもあきらめずに戦ったから勝てた」と目に涙を浮かべた。
4強入りした40年前の試合を甲子園で観戦したという原田英彦監督(53)も感慨深げな表情。「平安の最後の黄金期と言われたチームに並べた。ベスト8で負けた成美の分まで頑張りたい」と力を込めた。
【京都新聞】(2014/04/01朝刊)

写真:4強入りを果たした原田監督とナイン
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2014/4/1 準決勝
阪神甲子園球場
vs 佐野日大(栃木)
TEAM 123456789HE
佐野日大 000 001 000 1 9 4
龍谷大平安 030 010 22x 8 10 0
  1. 試合詳細
  2. フォト
  3. メンバー成績
  4. 新聞記事①
  5. 新聞記事②
  6. 動画
◎バッテリー
【龍谷大平安】:高橋奎―高橋佑
【佐野日大】:田嶋―佐川
▼本塁打
徳本(平)
▼三塁打
徳本(平)
▼ニ塁打
石川、大谷(平)

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龍谷大平安
(8)徳本423
(9)大谷421
(4)姫野310
(3)河合311
(7)中口400
(5)310
(6)石川420
(2)高橋佑210
(1)高橋奎300
佐野日大
(6)竹村400
(8)長沢510
(4)吉田410
(7)稲葉430
(9)小泉300
(3)田村300
(5)柿沢320
(1)田嶋300
(2)佐川421

龍谷大平安
30 10 7 3 4 2 1 4 0 0
佐野日大
33 9 1 4 5 0 2 10 0 4
龍谷大平安 強打で圧倒
1番徳本 流れ呼ぶ一発
龍谷大平安硬式野球部応援サイト 意外な選手の一発が、準決勝の重圧を吹き飛ばした。二回。龍谷大平安は1点を先制し、さらに2死二塁の好機。ファウルで粘った徳本は6球目の内角スライダーを、鋭く腰を回転させて振り抜いた。快音を残した打球はポールを巻くようにスタンドへ。甲子園で公式戦初アーチを放ったリードオフマンは「自分でもびっくり。最高です。」と声を弾ませた。
大会屈指の好左腕田嶋に対し、打線は踏み込んで外角を狙う作戦だった。ところが徳本は2ストライクに追い込まれ、スライダーも頭に浮かんだという。直前には同じ内角スライダーをファウル。球筋のイメージが残っていたところに、甘い球が来た。「体が勝手に反応した」。スタンドインを見届け、力強く右腕を突き上げた。
50メートル5秒8の俊足が最大の武器で、長打力は課題だった。冬場に腹筋や背筋などのトレーニングを積極的に行い、体重も4キロ増加。3月の練習試合で高校初本塁打を放つまでに飛距離が伸びた。
だが、甲子園では徹底マークされ、準々決勝までの3試合は13打数3安打。「打ちたい気持ちが強く、体が開いてボールを見られなかった」と苦しんだ。宿舎でメンタルトレーニングを続けて悪いイメージを消し去り、この日はコンパクトなスイングを徹底。七回も5点目となる右翼線三塁打を放ち、「迷惑をかけたが、やっと挽回できた」と笑顔を見せた。
原田監督も「まさか徳本が」と目を丸くしたうれしい誤算。打線を活気づける1番打者の技ありの一撃で、初の春王者へ王手をかけた。
【京都新聞】(2014/04/02朝刊)

写真:ツーランホームランを放った徳本選手
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けん制ずばり ピンチ防ぐ
バッテリー+一塁手
龍谷大平安硬式野球部応援サイト 危機を救ったのは、龍谷大平安のバッテリーと一塁手河合の洞察力だった。息の合った連携プレーで2度、けん制で一塁走者を刺し、佐野日大の攻撃の芽を摘み取った。
一回1死一塁。さりげなく一走を観察した捕手高橋佑は「リードがでかい」と、左腕高橋奎にけん制のサインを送る。一塁への送球はベースからややずれたが、間一髪でセーフの際どさ。高橋奎は「これなら刺せる」と感触をつかんだ。一呼吸置いて、今度は強い球を送球して仕留めた。直後に連打を浴びただけに、2年生左腕は「あのアウトは大きかった」と振り返った。
六回1死一、二塁では、河合から高橋佑へサインを送った。次の瞬間、二塁手姫野が二塁のベースカバーへ。だが、高橋奎が牽制球を投げたのは一塁。姫野の動きをおとりに使って一走の油断を誘い、完璧なタイミングで刺した。河合は「一塁ランナーコーチが内野手の位置を伝えていないのに気付いていた。練習通り」と胸を張った。
準決勝までの4試合で平安の失策は2。強打に隠れがちだが、統率された伝統の堅守も快進撃を支えている。高橋佑は力を込める。「自分たちは隙を見せず、相手の隙を全部突く。それが平安の野球」
【京都新聞】(2014/04/02朝刊)

写真:ピッチングだけでなくけん制も上手な高橋奎二投手
写真提供:HEIAN Baseball Photo Life
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再び強い姿 感慨
龍谷大平安、初の決勝進出
全国最多の甲子園出場を誇る伝統校が、春は初となる決勝へコマを進めた。1日、甲子園球場で行われた選抜高校野球大会準決勝で京都の龍谷大平安が勝ち、2日の決勝で悲願の春初制覇に挑む。「このまま優勝や」。長い歴史を知るオールドファンやOBらで埋まったスタンドは、歓喜に包まれた。
吹奏楽部OBで、約20年前からトロンボーンを演奏して応援している伊藤敏雄さん(69)は「やっぱり母校の応援は気持ちが違う。頂点までいってほしい」。演奏に合わせて選手の名前を叫んだOBの岡俊爽さん(71)は「僕の在学中はしょっちゅう甲子園に出ていた。強い姿をまた見られるのは感慨深い」と笑顔を見せた。
序盤から持ち味の攻撃力を生かす展開で、得点するたびにアルプス席には拍手と歓声が沸き起こった。長く見守り続けたファンの喜びもひとしおで、40年前のセンバツ4強時も応援していたという大野寿紀さん(73)は「近所に新グラウンドができて、ますます好きになった。平安が強いと京都が盛り上がる。初優勝も見に来ないとね」と目を細めた。
頂点まであと1勝と迫り、テレビ観戦した野球部OBたちも悲願達成を願う。センバツ4強入りした40年前の部員だった京都産業大監督の勝村法彦さん(57)は「攻守ともバランスの良いチーム。今までの努力を決勝にぶつけてほしい」と期待を寄せた。

衣笠さんらも喜び
「今までの戦い方で」
龍谷大平安の快進撃に、プロ野球を経験した野球部OBからも喜びの声が上がった。
プロ野球広島で連続試合出場記録を樹立し、国民栄誉賞を受けた衣笠祥雄さん(67)は「自分たちのチームを信じていて、野球をよく知っているすばらしいチーム。本当にうれしい」と喜んだ。
「決勝も今までの戦い方でいい。ぜひとも勝って、春で初めての優勝を果たしてほしい」と期待した。
1987年に主将を務め、プロ野球阪神で「代打の神様」と親しまれた桧山進次郎さん(44)は、「昨秋の近畿大会を制し、春の甲子園も優勝候補としてその通りの実力となった。一発勝負のトーナメントでここまで上がってきてすごいと思う」と後輩たちの活躍を喜ぶ。「平安は夏に強いと言われてきたが、春に優勝して歴史に名を刻んでほしい。ここまで来たら思いきり力を出してほしいね」と期待するコメントを寄せた。
97年夏に準優勝したチームのエース川口知哉さん(34)はテレビで観戦。「最近は甲子園でいい成績が出てなかったので、その悔しさを一気に晴らしてくれている」と声を弾ませた。決勝に向けて「夏に向けて通過点の気持ちで、いつも通りに一球一球を大切にすれば結果は出る」とエールを送った。 【京都新聞】(2014/04/02朝刊)

 
2014/4/2 決勝
阪神甲子園球場
vs 履正社(大阪)
TEAM 123456789HE
龍谷大平安 201 100 002 6 10 1
履正社 010 010 000 2 8 0
  1. 試合詳細
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◎バッテリー
【龍谷大平安】:高橋奎、元氏、犬塚、中田―高橋佑
【履正社】:溝田、永谷―八田
▼本塁打
河合(平)
▼三塁打
徳本、高橋佑(平)
▼ニ塁打
西村(履)

※写真の無断複写・転載は固くお断りします。
龍谷大平安
(8)徳本531
(9)大谷411
R・9岩下000
(3)河合212
(7)中口300
(5)401
(6)石川411
(2)高橋佑430
(1)高橋奎100
1元氏300
1犬塚000
1中田000
履正社
(5)400
(4)井上520
(6)吉田310
(7)中山300
8立石000
H三浦100
(9)西村521
(2)八田410
(8)・7金岡210
(3)絹田111
(1)溝田000
H辻井100
1永谷100

龍谷大平安
33 10 6 10 6 3 1 9 1 1
履正社
30 8 2 6 6 5 0 12 0 0
38度目の正直
龍谷大平安硬式野球部応援サイト エース・中田竜次(3年)が、九回2死、好打者・西村にこん身の直球を投げ込む。打球は高々と上がり、”38度目の正直”を約束するウイニングボールはセンター徳本健太朗外野手(3年)のグラブに収まった。
マウンド付近、もみくちゃで喜びをぶつけ合うナイン。昨年のセンバツでは、早実に初戦敗退、そこから始まった逆襲が、最高の形で結実した。
大会最高のリードオフマンと注目された徳本がまず、強烈なインパクトを履正社に与える。初回、先頭打者として、右翼線を破る一打で『超』のつく快足をとばして楽々三塁を陥れた。
これが次打者・大谷の適時打を呼び、わずか5球で先制。「最高の形でチームに流れをもってこられた!」と声を弾ませた。
準々決勝までは13打数3安打と、足を生かす形をつくれなかった。それでも「去年の悔しさを晴らしたい」という思いと、中口ら1年時からともにレギュラーとして頑張ってきた仲間からの「テークバックの引き方」など、徳本を知り尽くすゆえのアドバイスで準決勝から公式戦初本塁打など、完全復調だ。
最後のヤマ場は2点リードの八回。1死満塁、2ボールで、中田が登板する。試合中、原田監督から「胴上げ投手になりたいか?」と聞かれ、力強くうなずて上がったマウンドだ。
2回戦で肩の不調を覚えていたが「気持ちが上回った」と、その後3ボールから永谷を三振、辻を投ゴロに仕留めた。

監督泣かせた
そして九回、「監督を泣かせたい」と必勝を誓った主将の河合泰聖内野手(3年)がこれまた公式戦初本塁打をかっ飛ばし、Vを引き寄せる。「監督には『お前の一発で(感激が)冷めたわ』と言われました」。監督をも巻き込んだ、最高のチームワークで龍谷大平安が、春の甲子園を駆け抜けた。
【デイリースポーツ】(2014/04/3朝刊)

写真:優勝の瞬間マウンドへ駆け寄る平安ナイン
写真提供:HEIAN Baseball Photo Life
※写真の無断複写・転載は固くお断りします。
原田監督「胴上げ夢でした」
エース本領 伝統の堅守
龍谷大平安硬式野球部応援サイト 童心に帰っていた。原田監督は歓喜の教え子たちに拍手を送り、見つめていた。「もうファン心理でしたね。平安のファンとして、本当にうれしいです。よくやった。素晴らしい」。お立ち台では、興奮の声のトーンで上がっていた。
10歳の時、金網越しに練習を見に行くほど平安のユニホームに憧れた。好きすぎて友人と作った野球チームの名は「京都平安」。白地のユニホームで胸のところに「HEIAN」とマジックで書き込んだ。76年、同好に進学。甲子園出場はできなかったが、社会人を経て低迷期の93年に監督に就任。礼儀もなっていない選手が多かった。「お前は俺の後輩や」と話し合い、選手を指導した。決勝前夜には、がんを患った先輩から電話があった。「俺の生きている間に日本一になってくれ」と言われ、あふれ出る涙を強さに変えた。
三塁側のアルプス席前で初めて3度、宙に舞った。「胴上げは夢でした。体、重かったか?」。選手より激しい筋トレをし、ユニホームの下の大胸筋は盛り上がっている。幼少期に見ていた平安の選手は胸を張り、いつも強そうだった。「本当に格好良かった」とその記憶が鍛えることを辞めさせない。誰よりも「HEIAN」を愛する男が頂点に立った。

【スポーツ報知】(2014/04/3朝刊)

写真:3度、宙に舞った原田監督
写真提供:HEIAN Baseball Photo Life
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